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「財務が安定しているうちに“次の成長”を作り出さなければならない」
パソコン通信が日本で普及し始めた80 年代半ば、当時ベストセラーのパソコン通信ソフト「まいと~く」にお世話になった人は少なくないだろう。 当時一世を風靡したパソコン通信ソフト「まいと~く」を生み出した株式会社インターコムは、今日では通信をはじめ、運用管理、サービスデスク、ワークスタイル変革関連のソフトウエアを、企画・開発・販売からメンテナンスまで一貫して行う「日の丸ソフトウエア」企業として30 年以上の歴史を刻んでいる。
インターコムは、受託開発ではなく、創業時から一貫してパッケージプロダクトの開発、販売を行い、品質の維持向上に取り組んできた。 自社ブランド商品をゼロから生み出すには膨大な時間とコストを費やす必要がある。しかし、一度ヒットさせれば、しばらくの間は安定的に利益を生み出していけるという大きな利点もある。
「面白い仕事をやりたい、そのためには自社オリジナル商品の開発が不可欠」と、創業者である高橋啓介代表取締役会長CEO は語る。 インターコムでは、新しい商品はすべて大規模な展示会で発表する。 開発を担当した技術者はその場に立ち会い、自分の作った商品に対する反応を直接体験するそうだ。 受託開発では、その「楽しい」機会を得ることが少ないのではないか。 “ インターコムのプログラマーは作家と同じであり、その作品はインターコムという出版会社を通して全世界に販売していく” 高橋会長は自信を持って話す。
11 年ほど前、インターコムはIPO に代わる自社のアイディテンティと経営や財務の状況を社外に効果的に伝える手段として、日本SME 格付けの取得を決めた。 「新しい取引をする際には顧客への安心材料として格付けを見ていただく。特に大手企業には安心してもらえます」 日本SME 格付けが、IPO で得られるであろう効用の一つを果たしている。 「会社として、商品の売上拡大も大切だが、財務の信用力もおおいに必要である」と語る。 以来15 年連続で最上位の‘aaa’を取得し、本社の入り口に格付け証書を掲示する他、名刺や会社案内、自社Web サイトに格付けを掲載するなど、積極的に取引先へ伝えている。
今後最大の経営課題は「成長力」を如何に伸ばすかである。 IPO をはじめM&A、MBO 等、経営には様々な選択肢があるが、知恵を出さなければ成長し続けることは難しい。 自社ブランドの新商品を作り上げるには研究開発をフル活用しても、1 年かかる場合がある。‘aaa’ を維持し財務基盤の安定を図りながら次の成長の源泉を如何に見出せるかは、高橋会長の経営手腕にかかっている。「お客様に” 夢と感動” を提供する」「誰もが作れない革新的プロダクトにこだわり続ける」まだまだ可能性が広がる通信だからこそ、インターコムは理念を一途に抱えて邁進する。
【会社概要】