SME格付けは、主に財務データを入力項目として開発されたモデルに基づいて付与されます。一方、従来からある格付会社の信用格付けはアナリストの定性判断を含め、多角的な観点から分析され、格付け委員会での投票という過程を経て付与されます。
SME格付けは、売上高が5~100億円程度の日本の中小・中堅企業間での相対的な信用力を表すものです。通常の格付けはグローバルに比較可能な格付けスケール(大文字の「AAA」から「D」)となっていますが、これを中小企業にそのまま適用すると、概して格付けが低めの水準に集中して中小企業間の信用格差が現れにくくなってしまいます。そこで、日本の中堅・中小企業向けに7段階からなる新しい格付け体系を開発し、それを通常の格付けと峻別するために「aaa」から「ccc」と小文字で表記しています。
SME格付けには、通常の格付けの場合に付与される、格付けの方向性を示す「アウトルック」や「クレジットウオッチ」などは付与されません。
SME格付けにはアナリストによる継続的な格付けモニタリングも実施されません。したがってSME格付け取得企業がデフォルトに陥った場合でも、SME格付けの場合、デフォルトとして、「D/SD」に該当する格付けに変更しません。